刀掛岩 かたなかけいわ Etok-us-sirpa
北海道後志地方岩内町
アイヌ語表記: Etok-us-sirpa・Etu-ko-us-sirpa・Si-etok-us-sirpa
この岩には弁慶伝説があり、義経の従者である武蔵坊弁慶が釣りの際に刀を立て掛けたという。
指示対象
- 岬 雷電岬の先端にある大岩で、雷電と岩内のシンボル。刀掛の形に見えるのは東の岩内側から見た時で、西側は旧道が封鎖されて見ることができない。先端に「不落の洞窟」があるという。
語源分析
etu-ko-us-sirpa
エトゥコウㇱシㇼパ ‘鼻・そこに付いている・岬’ 提案提唱者: 榊原正文
岩のアイヌ語地名を「エトクシシリパ」とし、このように解する。
反論
- この接頭辞 ko- の使い方をすると、目的語がもう一つ必要になってしまう。 — zenibako_trek zenibako_trek…
確信度: 低
etu と us は辞書にある語だが、指摘されているとおり、充当接頭辞が項をひとつ埋め残す。
zenibako_trek… 「雷電岬の刀掛岩」に引く『データベースアイヌ語地名』
etok-us-sirpa
エトクㇱシㇼパ ‘突き出た頭のつく岬’ 提案提唱者: zenibako_trek(小樽銭函地名歴史研究会) (zenibako_trek (Otaru Zenibako Place-Name and History Society))
ここは etok のほうがよく、e-tok で〈頭の突き出た〉の意味になり、余分な目的語を必要とせずに先端の岩に当てはまる。読みはあの突き出た刀掛の岩を指す。
異形
- si-etok-us-sirpa ‘本当に突き出た頭のつく岬’ — セから始まる例、今井図の「セトクウンシレハ」と松浦図の「セトコウシシレハ」に対し、留保つきで挙げられた形。
確信度: 低
etok と us は提案どおりの意味で辞書にある語である。sirpa はここで参照したどちらの辞書にも載らない。
zenibako_trek… 「雷電岬の刀掛岩」田村1996 etok エトㇰ【位名】[概][< e-tok その頭・突き出る](空間・時間) …の先、 …の前
用例
- カタナカケト云フ 地図 Tenpō era 今井八九郎図
天保年間の今井八九郎図ですでに「カタナカケト云フ」とあり、刀掛岬とも呼ばれていたことがある。
zenibako_trek… - セトクウンシレハ 地図 Edo period 今井測量原図zenibako_trek…
- セトコウシシレハ 地図 Edo period 東西蝦夷山川地理取調図zenibako_trek…
出典
zenibako_trek… 田村1996