北海道後志地方寿都町
政泊
まさどまり Masadomari政泊は寿都湾の西端、風の当たる弁慶岬の下の泊である。
アイヌ語表記: Matnaw-tomari・Mata-tomari
語源分析
mata-tomari
マタトマリ
冬の港
提唱者: 寿都町文化財展示室
定説の読みで、「冬でも避難しやすい入江」と説明される。
反論
- 旧記に「マタトマリ」という表記はどこにもなく、「マツナトマリ」でほぼ統一されている。風の強い弁慶岬で真冬に船を漕ぎ出すのは危険で、この泊は冬にしか使わないわけではない。冬は山の奥まった mata-kotan〈冬村〉に籠もり、秋に獲って干した鮭を食べるのが暮らしで、荒波の日本海に漕ぎ出して漁をすることはあまりしなかったはずである。 — zenibako_trek zenibako_trek2024
matnaw-tomari
マッナゥトマリ
北風泊
提唱者: zenibako_trek(小樽銭函地名歴史研究会) (zenibako_trek (Otaru Zenibako Place-Name and History Society))
旧図の表記は「マツナトマリ」で、そこから読めるのは matnaw である。政泊のもともとの示す位置は海水浴場があったところで、少しの砂浜がある。入江の北側にピラミッドのような岩の丘があり、これが北風を防いでいたのだろう。岩に切れ目があり、船出しにもよい場所になっている。
根拠
- 地形
入江の北側の岩の丘が北風を防ぎ、岩の隙間から舟を出すことができる。
用例
- マツナトマリ 地図 Edo period
泰蝦夷島図・高橋蝦夷図・東海参譚が「マツナトマリ」、今井測量原図は「マシナトマリ」、田草川日誌は「マツイトマリ」、伊能大図は「マキナヲトマリ」、蝦夷全地は「シナマツナイマリ」、松浦山川図は「イシ/スナマサトマリ」。「マタトマリ」という表記はどこにもない。
zenibako_trek2024 表「古地図・旧記/政泊(マサトマリ)」
関連地名
- 砂政泊 すなまさどまり — 地名が惣地名に広がったのち、元の政泊を区別して呼んだ名。 zenibako_trek2024
- 石政泊 いしまさどまり — 砂政泊の北の浜。各地図で位置が異なる。浜の道は岩の切れ目で途切れる。 zenibako_trek2024
出典
- 弁慶岬と義経弁慶伝説・寿都西部の地名由来
zenibako_trek·2024-12-28
- アイヌ語沙流方言辞典
田村, すず子·1996