新冠 にいかっぷ Niikappu
北海道日高地方新冠町
アイヌ語表記: Ni-kap・Pi-pok
いかにもアイヌ語らしく響く現在の名は1809年に和人の役人がつけたもので、それ以前にこの地が負っていた名は河口の大岩に結びついたビボクである。
位置
42.3610, 142.3157 · 座標:OpenStreetMap Nominatim, 2026-09-10。新冠 の位置。 OpenStreetMap で開く
指示対象
- 集落 新冠町。サラブレッドの町として知られる。旧名ビボクは新冠川河口西岸の判官岬・判官館の大岩に由来し、そこにピポクチャシがあってアイヌの見張りや祭りの場となっていた
語源分析
ni-kap
ニカップ ‘木の皮’ 定説提唱者: 羽太正養 (Habuto Masayasu)
この川に楡や榀などの木が多くあり、そこで木の皮を剥いて用いたことから付けられた名。
反論
- 直接的に地形に関する名詞がない地名はあまり例を見ない。またこれは1809年に和人の役人がつけた地名である。 — zenibako_trek zenibako_trek…
両要素とも使われた意味のまま辞書にある語である。名は1809年に代替として作られたもので、役人の選択を記録した名である。
pi-pok
ピポク ‘岩の下’ 提案提唱者: zenibako_trek(小樽銭函地名歴史研究会) (zenibako_trek (Otaru Zenibako Place-Name and History Society))
1809年以前にこの地が負っていた名で、松浦は「ビボク」と記録する。新冠川河口西岸にある判官岬・判官館の大岩を指し、そこにピポクチャシがあった。判官とは源義経のことで、ここに付された伝説も他と同様のお決まりの筋である。この地はまた、乱を起こしたシャクシャインが松前藩によって謀殺された地でもある。
両要素とも辞書にある語で、岩も同定されている。記事は旧名の語義を示す資料を挙げずにこの読みを与えている。
Ni-kap-kotan
‘木の皮の所’ 提案提唱者: John Batchelor
樹皮の繊維はかつてアイヌの布を作るのに用いられた。
1905年刊行のバチェラーの辞典に印刷された読みと語義。分節はバチェラー自身のもので、その要素のいくつかは辞書の見出し語に対応しない。
用例
- ニイカフ / ビボク 文献 19th century 蝦夷地郡名之儀申上候書付(松浦武四郎)
この地、原名ビボクと申し候処。唱悪く候間、文化六年羽太安藝守、この川に楡榀等木多くある故、ニイカフと改めるるに、夷語ニとは木の事、カブとは皮と申す事。この所にて木の皮を剥き用候間、かく号く候由。訳して木皮の義に御座候。
ニイカップの名は文化6(1809)年に松前奉行の羽太正養が、唱えにくいとしてビボクに代えて与えたもの。羽太は支笏を千歳に改めさせた人物でもある。松浦武四郎は元の地名を尊重し、自身の新冠探訪記を「東部毘保久誌」と名付けた。
zenibako_trek…