沙流 さる Saru
北海道日高地方日高町・平取町
アイヌ語表記: Sar・Sisirmuka
川は2つの名を負う。渡る平野の名と、河口の名である。
位置
42.7687, 142.3827 · 座標:OpenStreetMap Nominatim, 2026-09-10。沙流川 の位置。 OpenStreetMap で開く
指示対象
- 川 日高町と平取町を流れる沙流川。「シシリムカ」とも呼ばれる。隣の鵡川と並んで近世アイヌの中心的な居住地
- 集落 日高町富川の草原地帯。明治初期は佐瑠太 sar-putu「サル川の河口」とも呼ばれた。去場 sar-pa「草原の上手」も平取に残る
語源分析
sar
サラ ‘草原’ 定説- sar ‘草原・葦原’
提唱者: 定説
著者はこの読みを支持し、名の指す土地を日高町富川の草原地帯と見る。佐瑠太も去場も同じ語の上に立つ。
確信度: 中
sar「葦原」は使われた意味のまま辞書にある語で、名の指す土地も同定され、隣接する2つの地名 sar-putu・sar-pa も同じ要素の上に立つ。記事の中でこの読みに異を唱える資料はない。
zenibako_trek… 「沙流(さる)」田村1996 s.v. sar サㇻ【名】葦原、ヨシ原
si-sir-mukka
シシリムカ ‘大地が塞がる所’ 定説- si ‘本当の’
- sir ‘大地’
- mukka ‘塞がる’
提唱者: 定説
沙流川のもう一つの呼び名。著者は河口が砂丘上になりときどき塞がることによると見て、鵡川の mukka-p「塞がる所」と並べる。似た地名として共和町堀株川の旧名・尻深 sir-pukka「大地が盛り上がる所」を挙げる。
確信度: 低
sir も mukka も使われた意味のまま辞書にあり、河口が塞がる特徴はこの型の地名に繰り返し現れる。頭の si に辞書の典拠は示されていない。
zenibako_trek… 「沙流(さる)」
Sara-moshiri
‘空に開けた国’ 提案- Sara ‘開けた’
- moshiri ‘国’
提唱者: John Batchelor
Asari の項を参照。
確信度: 低
1905年刊行のバチェラーの辞典に印刷された読みと語義。分節はバチェラー自身のもので、その要素のいくつかは辞書の見出し語に対応しない。
Batchelor1905 § V "Place Names Considered", s.v. Saru