敷生 しきう Shikiu
北海道胆振地方白老町敷生
アイヌ語表記: Siki・Sikii
表記は短い「シキ」と長い「シキー」「シグイ」に分かれ、2つの読みはその分かれ方に対応する。
位置
42.5530, 141.1995 · 座標:OpenStreetMap Nominatim, 2026-09-10。敷生川 の位置。 OpenStreetMap で開く
指示対象
- 川 敷生川。川筋に今も湧水が知られ、かつてはメップ川(mep「泉川」)と合流していた
- 集落 白老町敷生。敷生川のそばの日本製紙のあたりはかつてトンケシ(沼ノ端)と呼ばれ、広大な沼地が広がっていた
語源分析
siki-o-i
シキオイ ‘鬼茅ある所’ 定説- siki ‘鬼茅’
- o ‘多くある’
- i ‘所’
提唱者: 定説
siki は「鬼茅」を表し、アイヌはこの茎を切って矢柄の材料としたという。河川標識には「鬼茅群生する所」とある。
確信度: 低
「シキ」の表記には合うが、著者が重く見る「シキー」「シグイ」の長い音には合わない。
zenibako_trek… 「敷生(シキウ)」
sik-i
シキー ‘水に満ちた所’ 提案- sik ‘水に満ちた’
- i ‘所’
提唱者: zenibako_trek(小樽銭函地名歴史研究会) (zenibako_trek (Otaru Zenibako Place-Name and History Society))
「シキー」「シグイ」の双方を満たす音として選んだ形。同じ sik は著者の支笏・鹿部・祝津の読みにも通じる。トンケシの沼地、川筋の湧水、かつてのメップ川との合流が、名の述べる水とされる。
確信度: 低
sik「満ちる」は使われた意味のまま辞書にある語で、長い表記にも合う。根拠となるのは流域の水環境で、名そのものについての言明はなく、著者も可能性として提示している。
zenibako_trek… 「敷生(シキウ)」田村1996 s.v. sik シㇰ【自動】満ちる、いっぱいになる
Shiki-i
‘イグサの所’ 提案- Shiki ‘イグサ’
- i ‘所’
提唱者: John Batchelor
確信度: 低
1905年刊行のバチェラーの辞典に印刷された読みと語義。分節はバチェラー自身のもので、その要素のいくつかは辞書の見出し語に対応しない。
Batchelor1905 § V "Place Names Considered", s.v. Shikiu
用例
- シキ / シキー / シクエ / シグイ 地図 19th century 伊能図(シキ); 間宮河川図(シキー); 松浦図(シクエ); 今井大河図(シグイ)
今井八九郎は敷生川の支流や源流までの距離を記しており、著者はそれなりに信頼の置ける情報とする。
zenibako_trek…