尻深 しりぶか Shiribuka
北海道後志地方共和町・泊村
アイヌ語表記: Sir-pukka・Sir-un-ka
後代の松前藩の史料にもシリブカの名はあまり出てこない。尻深のアイヌは寛文9年の蜂起に大酋長カンネクルマのもとで加わり、ここで和人30人が殺されている。カンネクルマはツグナイを出しただけで処刑されなかった。
指示対象
- 川 堀株川。明治より前はほぼ一貫して「シリブカ」川と呼ばれた。
- 集落 のちの岩内となる地域。正保国絵図(正保1)に「シリフカヱソ」、皇圀道度図・ゑぞの絵図(寛文8)・松前蝦夷地之図にシリブカが見えても岩内は出てこない。江戸時代前半にはここに2000人ものアイヌが住んでいたともいう。明治に入るとこの名は地図から一つも残らないほど排除された。梨野舞納・渋井・発足・幌似などアイヌ語由来の地名は沢山残っているのに、大地名の尻深だけが短期間のうちに消えている。
語源分析
sir-pukka
シㇼプカ ‘丘が盛り上がる’ 提案- sir ‘地’
- pukka ‘盛り上がる’
提唱者: zenibako_trek(小樽銭函地名歴史研究会) (zenibako_trek (Otaru Zenibako Place-Name and History Society))
堀株川下流の蛇行部分で、発足砂丘が盛り上がっているところを指す地名だろうとする。堀株と同じく河口付近の地形をあらわす地名である。
確信度: 低
sir は「地・丘」の名詞として辞書にあるが、pukka はどちらの辞書にも載らない。指示対象は河口の地形からの読み取りによる。
zenibako_trek… 「堀株とシリブカ川」
sir-un-ka
シルンカ ‘崖のある岸?’ 提案提唱者: 既存の地名解 (readings in circulation)
伊能図の「シルンカ」に基づく読み。著者は訳を「?」つきで伝え、提唱者の名は挙げない。
反論
- この読みが依る形は一つの地図の転記ミスである。ka は位置名詞なので un の後ろに置くことも出来ない。 — zenibako_trek zenibako_trek…
確信度: 低
読みは他の資料と食い違う一つの地図の表記に基づいており、語順への指摘に答えがない。
zenibako_trek… 「堀株とシリブカ川」
用例
- シリフカヱソ 地図 1644 正保国絵図zenibako_trek…
- シリブカ 地図 1668 ゑぞの絵図
皇圀道度図・松前蝦夷地之図も同じ。
zenibako_trek… - シルンカ 地図 Edo period 伊能図
著者はこれを転記ミスと見る。原図である間宮河川図を含め、他の文献ではほぼ一貫してシリブカである。
zenibako_trek…
関連地名
- 堀株 ほりかっぷ — 川と地域について尻深に取って代わった名。 zenibako_trek…
出典
zenibako_trek…