アイヌ語形態素エクスプローラ
地名一覧

占守島 しゅむしゅとう Shumshu

千島列島北部(北千島)

アイヌ語表記: ShumushuShumuchKushan kotanShimoshiri

千島アイヌの名は鳥居が Shumushu、また Shumuch と記録する。鳥居の話者にとって列島の知識の北限がこの島であった(pp. 40–41)。

位置

50.7487, 156.3503 · 座標:OpenStreetMap Nominatim, 2026-09-11。占守島 の位置。 OpenStreetMap で開く

指示対象

  • island 千島列島最北の島。ロパトカ岬の対岸。1884年の色丹島移住以前に千島アイヌの常住集落があった三島の一つ

語源分析

Kushan kotan

クシャンコタン ‘人の始めて出たる所’ 提案
  • kushan ‘(鳥居:「始めて出たる」)’
  • kotan ‘處・村’

提唱者: 鳥居龍藏 (Torii Ryūzō)

古名に対する鳥居の語釈。分析は示されない。話者の形のまま記す。

確信度: 低

鳥居は分析を示さず語釈のみを記す。kushan はここでは辞書の語と同定できず、確かめられるのは kotan の部分のみ。

鳥居1903 p. 41鳥居1903 第六章 千島地名普通單語集 (pp. 156–172), Kotan

Shi-moshiri

シモシリ ‘大いなる国’ 提案
  • si ‘大きい・真の’
  • mosir ‘国土・島’

提唱者: Batchelor, John (John Batchelor)

バチェラーによる Shimushu / Shimushir / Shumushu の読み。

確信度: 低

バチェラーの見出しは二島を混同し、si-mosir は占守より新知島 Shimushir に合う。鳥居の話者の形は Shumushu で si を含まない。

Batchelor1905 § V "Place Names Considered", s.v. Shimushu

用例

  • Shumushu 口承 1903 鳥居龍藏『千島アイヌ』第二章「千島地名解」
    又一名 Shumuch と云ふ、古は Kushan kotan と稱したり、即ち「人の始めて出たる所」の義なり

    鳥居は別名 Shumuch と、古名 Kushan kotan「人の始めて出たる所」を記す。

    鳥居1903 p. 41
  • Shimushu / Shimushir / Shumushu 辞典 1905 An Ainu-English-Japanese Dictionary, 2nd ed.
    Shimoshiri. The great country.

    バチェラーは Shimushu・Shimushir・Shumushu を一項にまとめ、別の島である新知島(Shimushir)と占守を混同している。鳥居が伝える酋長ヤコーフの区分では両島は別の島である(p. 36)。

    Batchelor1905 § V "Place Names Considered", s.v. Shimushu

出典

鳥居1903 Batchelor1905